紫苑

知り合いの方からブドウをいただいた。


岡山県産の紫苑(しえん)という品種のブドウ。
事前に「届けます〜」と連絡はいただいていたものの、
届いた箱を持ってびっくり!2房か?と思って箱を開けると、
沢山の粒がついたひと房がど〜んと入ってる。
房には20cmはあろうかという軸(つる)も残して、
箱の中にはブドウの葉も添えてある。
それに、重装備(?)というか非常に丁寧に包装されている!
おそらく、甘みが乗ったり時間が経ったりすると
脱粒しやすくなるんでしょうね。


んー、それにしても大きい房だ。
と、いうことで重量を測定。…なんと900g超!!
普通スーパーでパック売りされてる巨峰なんかが300〜350g程度なので
その約3倍と言えば重量感が判ってもらいやすいでしょうか?



この紫苑は新しい品種で、調べたところ
長野県で紅三尺(べにさんじゃく)×赤嶺(せきれい)を
交配させてできた冬のブドウとのこと。


鮮度の証、ブルーム(粒の表面の白い粉)もしっかり残って、
軸も青々としております!!
それにしても、かなり丁寧に扱われてるんだなぁー。


さて、いただきます。



香りは軽〜いマスカット系の匂い。
皮はしっかりしてて、皮離れもよいけど皮に残る実がちょっともったいない。
ブドウ好きは皮のままいくか?
もしかするともう少し後の時期とか熟度が進めば違うかも。


面白いのは食感。全体的に「ぷりっ」というか、「こりっ」としたというか…。
普通のブドウよりは締まった感じで、でも果汁はちゃんと実に閉じ込められている。
(その証拠に、うちの子供は手で皮を剥いて食べていましたが、
テーブルに果汁をこぼしまくり。もったいない〜!!)


そして、酸味は少なく甘い!
それもべたべたした甘さではなく、くどくないさっぱりした甘さ。
おそらくまだ先の時期でさらに甘さが乗ったとしても、
くどい甘さにはならない感じがします。
今回は種無しだったので、生食用としては万人受けバッチリ間違いなし。


贅沢なブドウでした。ごちそうさまでした〜!!



その後さらにネットを調べると、アロエの食感という表現がありました。なるほど、そうか。
新しい品種だけあって出回り量はまだまだ少ない希少品種のようですが、
今頃から始まって12月上旬でも出回っているようで、お歳暮向けにもなっている様子。


交配についても気になったので調べてみた。
紫苑=紅三尺×赤嶺 の交配
紅三尺=三尺×フレームトーケー
赤嶺=甲斐路の早熟着色系稜変わり
甲斐路=フレームトーケー×ネオマスカット
ネオマスカット=アレキサンドリア×三尺
(甲州)三尺=ケニギンエリザベス×ベレルフォンチャバ


ふえ〜、交配って奥が深い…。
ちなみにフレームトーケーは、欧州種で古来からブドウの女王とも呼ばれる品種。
また、うまい品種のほとんどはアレキサンドリアからのうまさに由来しているそうな。